「ちょっと待って下さい!」


「…?」



キス寸前で止められて、俺はゆっくり目を開ける。



「この続きは、また今度にしましょう?

……私ばっかり待っていても、つまんないですし。

今度は、ブラッドさんが待つ番!」






な………

何だそれ!!!


目を見開く俺に、カトレアは楽しそうに
ふふ、と笑っている。


…今度は俺が待つ番……。


確かに、カトレアには待たせてばっかりだったもんな。


俺は、はぁ、と息を吐いた。


……今までの、どの任務よりも緊張した…。


俺は、床の小さな箱を拾い上げると、
中から、指輪を取り出して、カトレアの薬指にはめる。



「………んじゃあ、また今度な。」



俺は、嬉しそうに微笑む彼女を見ながら
……今日はこれで、もう十分幸せだよな。と心の中で呟いた。