それは、カトレアがついた、最上の強がりなのか、本心なのか。

それは、俺には分からなかった。


でも、俺はこの時

どんなに離れてもこの腕の中の温もりを失いたくないと、

そう思ったんだ。


俺は、すっ、と抱きしめていた腕の力を抜いた。


そして、カトレアの瞳を、じっと見つめる。


カトレアの頬に、そっと手を当てた。


彼女は、ぴくん、と体を震わせる。


俺は目を閉じながら、ゆっくりと近づいた。



あぁ…。


これは、俺が六年、仕事を耐え抜いてきた

ご褒美だ………………


今なら

お前の唇をもらってもいいよな………?



あと少しで、唇が触れる……



と。

その時、カトレアの手が俺の唇を塞いだ。