引っ張られて連れて来られたのは屋台から少し離れた暗いところ 隼人の歩幅に合わせるのが必死で私は息が切れていた 「さゆりはあの〝佐伯くん〟が好きなわけ?」 隼人は怒ったように言葉を吐き捨てる 「好きとかじゃない…」 ただ優しかったから、頼っていいって言ってくれたから 「それにしては仲良しなんですね〜?」 隼人はバカにしたように見下ろしてくる そんなこと言ったら隼人だって美鈴さんと仲良いくせに でもこのことは言えなかった 言ったら、隼人のことが本当に好きってことになっちゃうから