私は隼人に背を向けて寧々のところに戻ろうとした その時誰かにバッと腕を掴まれた 「えっ…?」 「あ、ごめん!なんか無意識で…」 振り返ると佐伯くんがいた 灰色の甚平を着ていて、いつもはいじられていない黒髪を無造作にセットしていた 多分女子だったら思うだろう、かっこいいって 佐伯くんは少し焦ったように私の腕を離した