さゆりと別れた後、俺は案外清々しかった 「あいつ…あんな綺麗に泣くんだな」 昨日の夜、俺の前で流した涙とは全然違った もっと早く出会いたかった、その順くんより前に それでもさゆりは俺より順くんを選んだかもな やっぱり俺じゃ無理だったんだな あんなの見せられたら誰だって無理か 俺は少し笑った さゆりは俺なんかが幸せにできる女じゃなかったってことだ それぐらい心が綺麗なんだ、あいつは