唇を離すと、一気に包み込むように体を抱きしめられる。




「すっげー会いたかった」



抱き締める腕に力がこもる。


私もちょっとだけ力を入れるも、かすかに鼻がある臭いを感じる。



この臭い...オイル!!



「あのっ、恭弥くんっ」



密着していた顔を少し離して口を開く。



「ん?」


「私、オイル臭いから...臭い移っちゃう...」


「ああ。確かに」



その短い言葉がぐさっと胸に突き刺さる。


やっぱりオイル臭い女なんて嫌だよね。



授業でオイルかぶった自分を恨む。