「なあ!!」 昼休みののんびりした空間に、一人の男子高生の大きな声が響く。 「どーした?」 勇人がチョココロネを食べながらたずねる。 クラスメイトも不思議そうに、大声をあげた男子を見つめる。 「———女がいる...」 野球部の丸刈り青年は真面目な顔で口にする。 「当たり前だろ。直がいんだから」 「そーだぞー。直だって女だ。失礼じゃないか」 いや、あんたの方が失礼だわ! グワッと噛み付くような視線を送る。