気がつけばすっかり太陽は真っ赤に染まっていた。
いつの間に居眠りなんてしちゃったんだろ。

わたし以外には誰もいなくなった教室で、軽く伸びをしていると、補習授業担当の先生がやってきて

「戸締まりするから早く帰りなさい」

と、鍵をちらつかせながらそう言った。

あの日は、そんな頃から、何かが起こるのかもしれないって、思い始めた。