「今日、シフト入ってたんだね。」


「あ〜、本当は休みだったんだけど、姉ちゃんが手伝えってうるさくて。」


”なるほど”と笑顔を返した私に”本当 弟を何だと思ってんだか”と、ため息を吐いて見せた。



「とりあえず着替えてくる。……あと、オーダー票早く姉ちゃんに持ってった方がいいと思う。」


「…あ!そ、そうだった。じゃ、またあとでね!」



いきなり松風くんが登場したことで、自分が何をしにどこへ向かっていたかなんてすっかり忘れてしまっていた。


着替えるため控え室に向かう松風くんに背を向けて、早足で綾菜さんのいる厨房に向かった。