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「菜穂、色々あってね!焼きそば買えなくて、それでたこ焼きを松風くんが買ってくれたの。」


”はい、これ菜穂の分”


そう言って差し出す私の手からたこ焼きを受け取りながら


「それより、その左手の可愛くないヤツは何?」

私の左手を見て毒突いた。


「か、可愛いもん!”うさピョコ”」

「”うさピョコ”…?」

松風くんと、射的で対決した私は物の見事にボロ負け。と言うより、才能を微塵も感じさせず……

それとは打って変わって松風くんは、私が必死に狙っていた”うさピョコ”のぬいぐるみ付きキーホルダーをたった3発で撃ち落としてしまったのだ。


「…松風くんに、もらったの!」


”えへへ”とニヤけた顔を見せれば

「…可愛くない。」

と、表情ひとつ変えずにたこ焼きを口に運ぶ菜穂。