それが相手に伝わって心が通い始めるまで、いろんな疑問や葛藤が繰り返されていったけど……。


いい形で最後を迎えて良かった。

いろんな意味で素敵なお話だと思いませんか?

津軽先生の漫画には、そんな作品が多くあるような気がします。

派手ではないけど、心に残る作品が。……』



「そうだね…」


文字に向かって声をかけた。
この場に彼女がいても、きっと同じ言葉をかけたと思う。

読み終えてホッと息を吐いた。
短い本を読んだ様な気分になり、独りで黙々と仕事をやり始めた。




夜更けになり、もう一度彼女の手紙を読み返した。

読めば読むほどに、彼女の存在を近くに感じる。

1週間ほど繰り返して読み、内容を十分堪能して返事を送った。