恋する想いを文字にのせて…

「あの…」
「えっと…」


声が重なってドキッとした。

視線を向けると、大きな黒目がこっちを見つめている。

その目が細まり、まつ毛が垂れた。
長く揃っている毛先は、瞬きをしてから上がった。



「今日は…来てくれてありがとう。本当に感謝しています」


手紙を読みながら想像していた声に似ていた。
落ち着いたトーンを胸の中に反響させながら、ゆっくりと言葉を返した。


「…私の方こそ、いつもお便りを頂いてありがとうございます。お会いできる時間まで設けて頂けるなんて、なんと感謝したらいいか…」


口籠るつもりはなかったけれど、じぃっと見つめられる視線に胸がドキドキし過ぎていた。

少しだけ落ち着こうとしてカップを両手で包んだ。

ほわっと温かい温度に、幾らか気持ちが落ち着いてくる気がする。

そのカップの中身を揺らしながら、何を話せばいいか…と考えた。



「…折角お会いできたのに、いざとなると話せないものですね…」


小野寺さんの声に振り向き頷いた。
声が聞きたい、話がしたい…と、あれ程思っていたのに、思うように声が出せないのは同じだった。



戸惑いながら視線を漂わせると、小野寺さんの声が響いた。


「来未さんが、俺の想像よりも若かったせいかな…」


その言葉に驚いて目を開いた。



「私の方こそ、小野寺さんが思ってた以上にお若かったのでビックリしています!」



服装のせいだけではない気がした。
肌のツヤもシワの数も、同年代とは思えない若さに溢れている。
その目元が細くなり、目尻にできたシワの本数だけが年齢を感じさせた。