声をかけてきた人の顔をまじまじと見てしまった。
筋の通った鼻先を指で擦りながら、優しそうな目元の人はこう言った。
「こんなに早くから来ておられるとは思いませんでした…」
それは自分もです…と言いたかった。
実は、待ちきれずに昨夜からこのホテルに泊まっていたのだ。
「私も小野寺様がこんなに早くお越しになるとは思いませんでした。約束の時間までかなりあるので、何か飲んでおこうかとカウンター席へ座ったところです…」
頼んでいたカフェオレが出来上がり、店員が困った様な顔を浮かべている。
それに気づいた彼が、「じゃあ、あそこで話しましょう」とカウンターへ向かいだした。
その後ろを追うような形で歩きだした。
戻ってきた私の目の前にカフェオレが置かれ、彼は「ブレンドを一つ」と店員に頼んだ。
黒い化粧板に映える白いカップの中から湯気が立ち上っている。
物音の少ないホテルロビーには、静かなクラシック音楽が流されていた。
彼の頼んだブレンドコーヒーは直ぐに届いた。
香ばしい香りを嗅ぎながら、手紙に付いていたあの香りのことを思い出した。
「……小野寺様は、コーヒーがお好きなんですか?」
一番最初の取っ掛かりとして選んだ質問をした。
カップの耳に指を引っ掛けようとしていた人は、それを止めて微笑んだ。
「職業柄と言うのでしょうか。眠気防止にいつも飲む習慣ができているんです」
特に好きというわけでもないみたいだ。
「そうなんですね…」と相槌を打ったものの、次に何を聞くべきか迷う。
筋の通った鼻先を指で擦りながら、優しそうな目元の人はこう言った。
「こんなに早くから来ておられるとは思いませんでした…」
それは自分もです…と言いたかった。
実は、待ちきれずに昨夜からこのホテルに泊まっていたのだ。
「私も小野寺様がこんなに早くお越しになるとは思いませんでした。約束の時間までかなりあるので、何か飲んでおこうかとカウンター席へ座ったところです…」
頼んでいたカフェオレが出来上がり、店員が困った様な顔を浮かべている。
それに気づいた彼が、「じゃあ、あそこで話しましょう」とカウンターへ向かいだした。
その後ろを追うような形で歩きだした。
戻ってきた私の目の前にカフェオレが置かれ、彼は「ブレンドを一つ」と店員に頼んだ。
黒い化粧板に映える白いカップの中から湯気が立ち上っている。
物音の少ないホテルロビーには、静かなクラシック音楽が流されていた。
彼の頼んだブレンドコーヒーは直ぐに届いた。
香ばしい香りを嗅ぎながら、手紙に付いていたあの香りのことを思い出した。
「……小野寺様は、コーヒーがお好きなんですか?」
一番最初の取っ掛かりとして選んだ質問をした。
カップの耳に指を引っ掛けようとしていた人は、それを止めて微笑んだ。
「職業柄と言うのでしょうか。眠気防止にいつも飲む習慣ができているんです」
特に好きというわけでもないみたいだ。
「そうなんですね…」と相槌を打ったものの、次に何を聞くべきか迷う。

