「早く早く!式に遅れるぅ〜〜!!」
慣れない着物を着ようと決めたせいで、帯が綺麗に纏まらずにいる私に妹が声をかける。
イライラとしながら結ぶおかげで、余計に時間がかかってしまう。
「芽衣ちゃん、そんなに慌てさせないで!帯が形良くできないから!」
キュッキュッと帯留めを締めながら文句を言った。
私達が仲を取り持った2人は、今日、都内のチャペルで式を挙げる。
子連れだからしなくていい…と断る彼女を説き伏せて、やっとこの良き日を迎えることになったのだ。
「ほらほら!タクシーも来たし!急いで急いで!!」
「あ〜〜ん!ちょっと待ってぇ〜!ご祝儀忘れそうだった〜〜!」
誰に似たのかおっちょこちょいな妹に呆れる。
これだから嫁にも行けず、あの子の漫画家人生を支え続けてきたのだ。
「お待たせ〜〜!運転手さん急いでね〜〜!」
待たせた張本人の言葉に笑い、タクシー運転手は車を発進させた。
「芽衣ちゃん、あの本持ってきた?」
「勿論!絶対に忘れたりしないって!」
「発売前に見せるって約束しているんだからね!もう一度、バッグの中身確認して!」
「大丈夫よぉ!ほらぁ!」
取り出した単行本の表紙には、汚れ防止の透明カバーが付けてある。
本のタイトルは『ラブレターズ』
彼と彼女の文通の一部始終を、フィクションを交えて漫画にした。
慣れない着物を着ようと決めたせいで、帯が綺麗に纏まらずにいる私に妹が声をかける。
イライラとしながら結ぶおかげで、余計に時間がかかってしまう。
「芽衣ちゃん、そんなに慌てさせないで!帯が形良くできないから!」
キュッキュッと帯留めを締めながら文句を言った。
私達が仲を取り持った2人は、今日、都内のチャペルで式を挙げる。
子連れだからしなくていい…と断る彼女を説き伏せて、やっとこの良き日を迎えることになったのだ。
「ほらほら!タクシーも来たし!急いで急いで!!」
「あ〜〜ん!ちょっと待ってぇ〜!ご祝儀忘れそうだった〜〜!」
誰に似たのかおっちょこちょいな妹に呆れる。
これだから嫁にも行けず、あの子の漫画家人生を支え続けてきたのだ。
「お待たせ〜〜!運転手さん急いでね〜〜!」
待たせた張本人の言葉に笑い、タクシー運転手は車を発進させた。
「芽衣ちゃん、あの本持ってきた?」
「勿論!絶対に忘れたりしないって!」
「発売前に見せるって約束しているんだからね!もう一度、バッグの中身確認して!」
「大丈夫よぉ!ほらぁ!」
取り出した単行本の表紙には、汚れ防止の透明カバーが付けてある。
本のタイトルは『ラブレターズ』
彼と彼女の文通の一部始終を、フィクションを交えて漫画にした。