恋する想いを文字にのせて…

そこに加われない自分の存在を考えると悔しくて、少しだけ無言になってしまった。



「…いけませんでしたか?相談もなく決めてしまって…」


信号で止まった際にこちらを向かれた。
その視線に「いや…」と短く答え、こう言った。


「彼にとって、君が良かれと思って決めたのなら文句は言わないよ。俺は彼のことをまだよく理解できないし、この土地のことも全く知らない。ここに住んでいる人達がそうすればと勧めるのなら、それに応じるのも手だと思う…」


初めて見る景色は暗闇の中に落ちて、視界すらも限られた範囲でしか見えなかった。
道路脇に連なるガードレールの白に目を配りながら、その向こうに在るであろう川面を想像した。


「ただ…いつまでここに居るのかな…と思うと、諸手を挙げて賛成とは言えないかなと……」


困らせるつもりはないが、本音を言っておきたいと思った。
彼女は青になった信号機に目を向け、小さく残念そうな息をこぼした。


「そうですよね……。ずっとあの町で暮らすのなら、間違いのない選択ですけど……」


狭い田舎には悪い評判だけが早く流れる。
都会の雑踏の中にはない連絡網のようなものがあって、それが偏見や間違いを生み出すのだ。



「小野寺さんは、私にどうして欲しいですか?希望があるのなら、是非聞いておきたいのですが……」


「希望?…言ってもいいの?」