背後から走り寄ってきた人は、息を弾ませながらネクタイの結び目を緩めた。
額には汗が光り、筋の様に流れてくる雫を手の甲で払いつつ私に言った。
「良かった……まだここに居てくれて………」
安堵した表情を見つめながら、どうして彼がここへ来たのかが謎だった。
「な……」
「誰だよ。そいつは」
反対側から声をかけてきた男に気づき、目の前にいた人はそっちを向いた。
ハッとして振り返り、慌てて叫んでしまった。
「誰だっていいでしょう!!貴方には関係のない人です!!」
怒鳴る様な声を聞いて、我慢出来なくなった我が子がしゃくり上げて泣き出した。
必要以上に感情を抑え込んでいたせいもあり、激しく嗚咽している。
叫ぶような声は次第に嗄れ始め、過呼吸に近い息を吐き出した。
「純っ…!」
ぎゅっと抱きしめても、パニックは治らない。
返って酷くなりつつある症状に、自分の心が押し潰されそうだった。
「純……純くん……ごめんね……大丈夫……怖くないから……」
震える体を宥めながら背中をさすり続ける。
その小さな体を受け取った人が、軽々と子供を抱き上げた。
「よしよし。泣くな。男の子だろう…?」
背中を叩きながら宥め始める。
純也は一瞬ビクつきはしたものの、直ぐに慣れてその人にしがみ付いた。
あっけに取られながらも2人の姿に困惑した。
後ろに立っている男も、きっと同じ様な思いをしていたに違いない。
額には汗が光り、筋の様に流れてくる雫を手の甲で払いつつ私に言った。
「良かった……まだここに居てくれて………」
安堵した表情を見つめながら、どうして彼がここへ来たのかが謎だった。
「な……」
「誰だよ。そいつは」
反対側から声をかけてきた男に気づき、目の前にいた人はそっちを向いた。
ハッとして振り返り、慌てて叫んでしまった。
「誰だっていいでしょう!!貴方には関係のない人です!!」
怒鳴る様な声を聞いて、我慢出来なくなった我が子がしゃくり上げて泣き出した。
必要以上に感情を抑え込んでいたせいもあり、激しく嗚咽している。
叫ぶような声は次第に嗄れ始め、過呼吸に近い息を吐き出した。
「純っ…!」
ぎゅっと抱きしめても、パニックは治らない。
返って酷くなりつつある症状に、自分の心が押し潰されそうだった。
「純……純くん……ごめんね……大丈夫……怖くないから……」
震える体を宥めながら背中をさすり続ける。
その小さな体を受け取った人が、軽々と子供を抱き上げた。
「よしよし。泣くな。男の子だろう…?」
背中を叩きながら宥め始める。
純也は一瞬ビクつきはしたものの、直ぐに慣れてその人にしがみ付いた。
あっけに取られながらも2人の姿に困惑した。
後ろに立っている男も、きっと同じ様な思いをしていたに違いない。