ねぇ、奏次郎。

あんたが毎日ここで何をしてたのか、ずっと不思議だったよ。

まさか私と会うためなはずがないしね。

だけど今やっと分かったかもしれない。


「お、綾香か」

「奏次郎……」


あんたが今抱きしめてるその人を、ずっと待ってたんでしょ?

あんたはその人を「世界一イィ女」だと言った。

本当に綺麗な人。

肌は透き通るくらいに白くて、手足は細長い。


「はじめまして、原山あかりです」


裏表のなさそうな眩しい笑顔は、女の私が嫉妬してしまいそうなほどだった。