「確かに技術ってのもあるがな、そいつは後から付いてくるものだ」 男は別の方のフォトアルバムをゆっくりとめくり始める。 俯いて前髪が垂れたその顔に、懐かしむような表情を浮かべている。 一番の違いが技術じゃないとしたら、一体何だって言うのよ。 「じゃあ分からない。カメラの性能とか?」 「撮り手の気持ちだ」 「は?」 それは納得のいかない答えだった。まるで安っぽい青春ドラマみたいな、そんな浅い台詞。 曖昧な、漠然とした答えなんて私は求めていない。