☆☆☆

初めてのキスは自分の涙の味がして、少ししょっぱかった。


だけど秋の唇はすごく柔らかくて、ドキッとするほど暖かかった。


家に戻ってからもまだ信じられなくて、あたしは自分の顔を鏡に映していた。


ほんのりとピンク色に染まっている頬。


あたし、本当にアキとキスしたんだよね?


本当に、アキの彼女になれたんだよね?


鏡の中の自分に質問する。


その答えはあたしの頭の中にしっかりと刻まれていた。