「途中から話は聞いていたが、
白夜を傷つけて研究が進むとは
限らねぇだろ」
原田さんは山南さんの刀を押し返し、
私を担いで１歩下がる。
なんで担ぐの。
「はぁ。だから言ったのに」
「ミキ。なんで来た」
「そりゃあ、姫様をお守りするため」
「守れてなかった」
「それはこの人がいたから。
と言うか、殺気やめて？！
怖いから殺気やめて？！」
無意識に殺気を出していたようで、
スッと殺気をしまう。
「あ。てめぇ逃げやがって。
どこ行ってた」
「ちょっくら里に戻ってただけ～？
それに、俺っちは間者じゃないし？」
『間者』
「白夜が間者と言ってるなら間者だろ」
「姫様ぁ…！！」
ふんっ。知らない知らない。
「…今日は諦めてあげます」
「山南さん…」
