サンプル~壊れた教室~

「僕はね、うぬぼれたライオンに似た生

き物しか狙わない主義なんだ」

 ライオンに似た?ランオンじゃないっ

てこと?

 私の疑問に気付いたのか、ニコニコ笑

いながら付け足す。

「本物のライオンは危ないじゃないか。

だから狙わない。でもライオンの毛皮を

まとっただけのカンガルーなら狙うかな?

元々はカンガルーだし」

 私には神威君が何を言いたいのか分から

なかった。

 でも決定的に分かったのは、この人は危

険だっていうこと。

「綺月、危ない!!!」

 亜梨朱の一言によって我に返る。