サンプル~壊れた教室~

 さっきの声が綺月さんと連のものだっ

たら。

 あれこれ考えてるうちに、図書室へと

着いた。

 音をたてないように、こっそりと忍び

寄る。

 そこには、綺月さんに覆いかぶさった

連の姿が見えた。

 その姿を見たとき、お気に入りのおも

ちゃを奪われたような感覚が駆け巡る。

 何とも言えぬ感覚。

 気が付くと、連と綺月さんの間に割っ

て入ってた。

「もうそろそろその辺にしたら?連」

 連は驚いた顔を、綺月は救われたよ

うな顔を向けた。