サンプル~壊れた教室~

 手洗いにでも行ったのだろうと思って

そのまま自分の机に歩み寄った。

「ねぇ」

 ふと綺月さんとよく一緒にいる確か

・・・・亜梨朱さんが話しかけてきた。

 無視する理由もないからテキトーに答

えてみる。

「何か用?」

 亜梨朱さんは一瞬口ごもったが、おず

おずと話し始める。

「綺月知らない?連が話があるらしくっ

てついてったきり戻らないの」

 まだ話してるんじゃないかと思ったが、

相手は連だ。何か嫌な予感しかしない。

 亜梨朱さんも嫌な予感しかないのか、

瞳を潤ませて話す。