【綺月side】

 新校舎の中をブラブラと歩き回っていた。

 ここでの沢山の思い出が脳裏に浮かん

で、消える。

 足取りは重く、体は何かが乗っかってる

みたいにだるく、鉛みたい。

 ポンッと肩を叩かれた。陽輔か亜梨朱、

秋斗かと思って振り向いたら、そこにいた

のは連だった。

 柊を、圭を、秀太を殺した張本人。

 そんなことを全く覚えてないみたいに、

ニヤニヤと笑みを浮かべてる。

 憎い、という思いを何とか理性で押さ

えつけ、真顔を維持した。

「何かな?」

 声が少し裏返ったが、連は気付いてな

いみたい。