サンプル~壊れた教室~

「どうして助けなかったの?」

 ふとそんな言葉がこぼれる。

 私の疑問に、神威君はほんの少し考え

るそぶりを見せながら、ニコリと笑った。

「助けるったって、逃げないと殺される

し。なんでわざわざ死亡フラグ踏まなきゃ

ならないの?」

 心の底から意味が分からないというよ

うな顔を向ける。

 私は筋が通ってることもあって、何に

も言えなかった。

 その時、亜梨朱が震える声で叫んだ。

「あ、あれ、鬼じゃない!?」

 亜梨朱の指さす方向には、小さくだけ

ど鬼がいた。

 真っ白なワンピースに身を包み、明ら

かに走りにくそうなハイヒール姿の鬼。