サンプル~壊れた教室~

「私、見てくる!」

 私はそう叫んで、その現場へ向かおう

とした。が、神威君が手を掴んで笑いな

がら抗議する。

「綺月さんって足遅いから鬼と鉢合わせ

しておしまいだよ?それでもいいの?」

 神威君はきっと分かって言ってる。

 そんなこと言ったって、私が「やっぱり

行かない」なんて言うわけないことを。

「助けられるかもしれないじゃない。

鬼だって、足意外と遅いかも」

 説得力にやや欠けていたが、きっと神

威君なら「あっそ」って言って行かせて

くれる。自身はあった。亜梨朱や陽輔、

秋斗は無理だとしても。