サンプル~壊れた教室~

「綺月、大丈夫だった?上から見てて、

落ちたみたいに見えたけど」

 亜梨朱は心底心配そうに私の元に駆け

寄って聞いてくる。

 まぁ、怪我があるかって聞かれたら、

神威君の方があるけどね。

「う、うん。それどころじゃないよ!

鬼は?」

 私の一言で、みんな(神威君以外)は

思い出した様にハッと目を見開く。

 その時。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」

 ものすごい悲鳴が上がる。

 その声は、男子が発したものだろう。

 場所は、そう。

 さっき私たちがいた廊下あたりから。