サンプル~壊れた教室~

 すると子供なら通れそうな小さな窓が

見つかる。

「この窓なら税霪通れるだろう。二階だ

から少々高さはあるが」

 こんな緊急事態に、秋斗は全くパニッ

クにならず、詳しく解析している。

「足遅い綺月から!早く!」

 陽輔はそう叫んだのと同時に、私は窓

の枠に足を掛けた。

 下を見てみると、意外と高さがあり少

し怖い。おまけに風が吹いている。

「っ・・・・、行くね!」

 無理に作った笑顔を見せ、唇をかみし

めた。怖いなんて言ってられない。

 目を閉じたくとも、きちんと着地しな

ければならない。