サンプル~壊れた教室~

 * * *

 何分たったのだろう。私たちは今、私

と亜梨朱と陽輔と秋斗で行動している。

 陸上部経験者の亜梨朱と陽輔は置いと

いて、走ったことの無い秋斗と足に遅い

私はどう考えてもお荷物だと思うけど。

それでも陽輔と亜梨朱は責めたり置いて

いったりしない。その気遣いがなんだか

とてもうれしく感じる。

「・・・・・聞こえる」

 秋斗がぼそりとつぶやいた。

「聞こえるって、何が?」

 陽輔が首をかしげてたずねる。

 私達は不思議がって秋斗を見た。

 秋斗は何秒か目をつむって、精神を

統一し始めた。