サンプル~壊れた教室~

「えっとね、まず一つは、この学校って

毎年行方不明者が出るの。見つからない

んだって。絶対」

 ゆ、行方不明者!?

 私はこの学校に行方不明者が出るなん

て思わなかった。

 そんな噂、聞いたことがない。

 それに私はそう言うのが大嫌いってい

うか、苦手。

 だから見る見るうちに顔が真っ青にな

る。

「だ、大丈夫?」

 亜梨朱は本気で心配しながら私の背中

をさすった。