サンプル~壊れた教室~

「れ、おな・・・。佑!佑!!」

 私はすぐには何があったのか上手く飲

み込めなかった。でも、今レオナが殺人

者になろうとしているのだけは分かる。

いや、あるいはもうなったのかもしれな

い。煮ても焼いても食えない、凍った殺

人者に。

 私はセーラー服に血が広がったのも分

からず、佑に近づいた。

「佑!・・・・・・秋斗、この傷、佑は

平気なんだよね?秋斗・・・・」

 私はこれ以上誰も死んでほしくなくて、

秋斗に縋り付いた。

 秋斗はただ黙って佑の様子をじっと見て、

微かに目を伏せた。