サンプル~壊れた教室~

「きゃああっ!何すんの!セットに何分

かかったと思ってんの!」

 レオナはくしゃくしゃになった自分の

髪の現状を見て、佑の制服から手を放し

て必死に佑の手を引きはがそうとした。

 けれどなかなか放れない。

「放してよ!ちょっと!」

「誰が放すか!放してほしかったら謝

れ!」

 佑はギロリとレオナをにらみつけ、一

向に放そうとしない。

 だがレオナが謝るわけない。

 私は完全に苛立っている佑に恐る恐る

話しかけた。

「ゆ、佑・・・・・。レオナを放してあ

げて。こんなの意味ないよ」