サンプル~壊れた教室~

* * *

 7年後

 キーンコーンカーンコーン

 チャイムの音が鳴って、新入生たちが

ぞろぞろと教室の中に入っていく。

「はーいみんな。入学おめでとう。これ

からヨロシク!」

 よろしくお願いしまーす、とバラバラ

だったけど元気な声で返事をする高校1

年生になりたての生徒達。

「ね、先生。なんでこんなボロッちい高

校の教師になったの?」

 元気で人気者の津田日花里が質問をす

る。

「ここは学校があったんだけど、ある事

件の時、爆発したんだよ。でもその学校

の歴史が長かったから、急にとだえたく

なくてね。この学校を作ったの。だから

私はこの学校に戻ってきたの」

 綺月はそう淡々と、でも懐かしそうに

言った。

 みんなは静かに聞いていて、心の中で

綺月はこの子たちなら、と考え始める。

「戻ってきたって、先生は爆破しちゃっ

た学校の生徒だったの??」

 長い茶髪のロングヘアーの女の子、斉

藤杏奈が聞いた。この子は何だか懐かし

い大好きだった女の子に似ている。

「そう。あ、自己紹介まだだったね。

私は添君綺月。綺月先生って呼んで。模

造品とか、サンプルとかが好きなの。変

な趣味だって言われるわ。気にしないで

ね」