「準備はオッケー?」

 私がたてた作戦はこう。

 まず、みんなで多目的を抜ける。第三

校舎に行くよりは、多目的の方がいいか

ら。

 次に、職員室を抜ける。職員はほとん

どいないと思う。

 死後に廊下を駆け抜けて、正面玄関を

通る。

 誰もその作戦に反対はしなかった。

「いいよ。せーの!」

 誰か4の掛け声によって、多目的の扉

をあけ放つ。

 そしたら、予想外のことが起きていた。

「え、なんで!」

 サンプルが3体いた。

 立ち止まっていたら、サンプル達はあっ

という間に私たちの所に来て全滅してし

まう。

 私は生き残らなくちゃならないんだ。そ

して、みんなの仇を討たなくちゃ。

 そんな考えが浮かんだ途端、私の足は動

いていた。

「駆け抜けるよ!」

「う、うん!」

 みんなは少し反応が遅れたが、すぐさま

私に追いついて、サンプルのいる中を駆け

抜ける。

「ちょ、嫌!」

 すると、京華が悲鳴を上げる。

 サンプル達に、手を掴まれたみたいだ。

 悪いけど、ここが天命だと思って。助け

られないわ。
 
 そんなことを思いながらも、振り返らず

にただ走った。