サンプル~壊れた教室~

 友達、という言葉に一瞬言葉が詰まる。

 それは・・・、確かに友達だけど、で

も・・・・・・。

 何にも言えなくなって、ただうなだれ

た。

 邪魔する奴がいなくなったと思ったの

か、奈津はナイフを振り上げながら、静

かに連の方に歩み寄った。

 連の目の前で止まると、衝撃発言をす

る。

「私ね、前から連のこと好きだったんだ

よ?でもね、関わってみて、やっぱり無

理だって思った。ビビりだし、ウザいか

ら。一緒にいるだけで疲れちゃう。だか

ら・・・・」

 そう言って、奈津は笑った。

 とても、満足そうに。

「バイバイ」

 グチャリ、と音がしたと同時に、連の

はらわたがえぐりだされていた。奈津は

嬉しそうに内臓を素手で持つ。

「コレってレバー?あ、小腸だぁ~」

 狂ったように笑う奈津。

 部屋の中は鉛の匂いでムッとした。

「・・・・・・・あ」

 それまだ一切の興味を見せなかった神

威君が、突然声を上げた。奈津の笑い声

だけが聞こえる中、やけに響いた。

「つながった~」

 何が、空気読んでもらっていいかな、

と言いたいところを我慢して、聞いてみ

る。

「な、何がつながったの?」

「ん?ああ。まずは、この学校、行方不

明者が出てるってこと知ってる?」