サンプル~壊れた教室~

「は?マジで言ってんの??俺らある意

味死にかけたんだけど??コイツのせい

で」

 連の口調が変わった。声のトーンが低

くなって、なんだかドスのきいた感じ。

その声の代わりに気付いたのか、みんな

の中に流れる空気が変わった。張りつめ

た感じになる。

「え・・・?あ、いやぁ、まぁ。で、で

も、いいじゃん」

「ふざけんじゃねぇよ!お前、亜梨朱の

肩持つつもりかよ?あぁ!?頭おかしい

んじゃねぇの!?」

 連はギラギラした目つきで奈津を睨む

と、胸ぐらをつかんだ。

 そのまま壁にドンッ叩きつけた。

「いっ・・・」

 微かなうめき声をあげて、連の手首を

しっかりと握りしめた。

「あ、頭おかしいって・・・?私が?」

 叩きつけられたことよりも、侮辱され

たことに怒り出す。

 こうなったら、誰にも止められる気は

しない。

「ふざけてんじゃないわよ、このチキン

が!馬鹿じゃないの?見る目無いってこ

のことね!」

 チキン=弱虫という子とは連も知って

いた。弱虫だのなんだの侮辱された連は、

もう怒りを隠そうとしなかった。

 ガッと連が奈津の髪の毛を掴み、ギリ

ギリと引っ張った。奈津は必死に連の手

を引きはがそうとするが、男の底力に敵

うわけでもなく、引っ張られる力は増す

ばかり。