サンプル~壊れた教室~

 親友だから、信じたかったんだ。

 大好きだから、かばいたかったんだ。

 偽善者とか、そういうのじゃなく。

「あんだよ?」

「亜梨朱だって、好きでやったわけじゃ

ない。好きで先生の言いなりになったわ

けじゃない!」

 私はそう言って、連をにらみつけた。

 すると連は私に興味がなくなったのか、

次は亜梨朱に向かって吐き捨てた。

「テメェ最低だな」

 連が言いたいのことは分かっているつ

もり。

 いつ現れるか分からないサンプル達。

 無残に死んでいったクラスメイト。

 狂った先生。

 誰も助けてはくれない、逃げだせない

空間。

 発狂しそうになる頭を抱え、逃げ出し

たいんだと思ってる。

「ちょ、連、待ちなさいよ」

 責めていた連をさえぎったのは、意外

にも奈津だった。

 奈津は真っ直ぐな性格だってよく言わ

れるけど、そう言うのが嫌いな子もいる。

偽善者だっていう子もいる。でも今は、

本気で亜梨朱をかばおうとしてくれるの

かな・・・・・・?

「責めたって仕方ないじゃん。私たち、

今は生きているんだしさ」

 前言撤回。

 別にかばおうとも、助けようともして

なかった。ただ自分が助かってよかったっ

て、自分の身の安否についてしか言ってな

い。何でそれがかばおうとしていないこと

の理由になるかはわからないけど、でも何

か、ほかの人が死んでくれてよかったって

言っているようにしか聞こえないから・・・?