亜梨朱はもう逃げるように視線を外す

こともなく、真っ直ぐ私達を見ていた。

その目には、濁りや曇りがないことなん

て一瞬で分かる。

 だから・・・・。

 なればこそ・・・・。

「それを決めるのは僕じゃない。あくま

で僕は真実にしか興味ないからね?」

 そう言って、私の方を見る神威君。目

で問う。‟きみが決めろ”って。

 うん。分かってるよ。その真実によっ

ては、許せるか分からないけど、亜梨朱

は私の友達だから。大切な大切な、心友

だから。

「分かった。その代わり、知ってること、

やったこと、包み隠さず話して」

 私の言葉に、亜梨朱は大きくうなずい

た。

 大丈夫。

 どんなことをしたって、亜梨朱は亜梨

朱だから。そう、ずっと。

 ずっと・・・・・・・。

 ・・・・・ずっとって、いつまで?

 * * * 

 ガラガラ

「きゃはは、やっばーい、似すぎてるっ

しょ?」

「そんなんじゃあただのサルだよーう」

 大きな声で笑ってる姫奈と京華。レオナ

がついさっき死んだっていうのに、これっ

ぽっちもダメージを受けてるとは思えない、

そんなはしゃぎっぷりだ。

「今のんきに絵をかいてる場合じゃないだ

ろ!」

「場をわきまえろ」

 陽輔と秋斗が京華たちを睨んでも、全く

気にしている風でもなく、おちゃらけた感

じに返事した。

「やだっ、こわーい!怒んないでよぉ」

「いいじゃん、それくらいーっ」