レオナと晶が死んだ後、私は陽輔や亜

梨朱、秋斗にどんな顔をして会えばいい

のか分からなくて、しばらくぼんやりと

考えた後、結局会わずに教室を出て行っ

た。

「私・・・どんな顔すればいいんだろう。

嬉しくもないし、でも悲しくもないし・

・・」

 答えの出ない疑問に、頭を悩ませなが

ら、当てもなくふらふらとさまよった。

 少し冷たい風が、ほんの少し開いた窓

から入ってきて、私の髪をもてあそぶ。

乱れた髪の毛をすくい上げ、唇を尖らせ

た。そしてポケットに手を入れる。いつ

もならポケットに入ってるはずの折り畳

み式のクシが見当たらない。

「見当たらないし・・・。ってあれ?こ

こってどこ?まさか、第三校舎?」

 来るな、と言われていた第三校舎だと

悟り、あわてて引き返そうとした。だけ

ど、向いた方向には、コツンコツンと足

音が聞こえる。それに、長い女の影も。

 ど、どうしよう・・・・。

 自分がまずい状況だということはすぐ

に分かり、反対方向に逃げようと思って

も体が動かない。

 何とか動こうと思っていても、足音は

どんどん近づいてくる。

 もうだめ・・・・・!

 キュッと目を閉じた次の瞬間、誰かか

ら思いっきり手を引っ張られた。そのま

ま後ろに倒れるかと思いきや、誰かが受

け止めたみたいな感覚に襲われる。

「誰・・・!やめ・・・」

「静かにして。生きたいんならね」