重たい瞼を開ければ、いつもの風景が飛

び込んでくる。目覚まし時計が鳴ってて、

人形が並べられてて、下ではお母さんがお

弁当を作る音が聞こえてくる。

 そんなのが、当たり前だと信じて疑わな

かった。でも当たり前にある幸せなんて、

一つもないっていう事を知った。

 今、私の前には、殺人狂しかいない。そ

う、橋本淳先生。

「みんな元気か?早速、俺は昨日対戦表

を決めたんだ」

げっそりとした顔をしているみんなは、

疲れ切った顔で先生の言葉を聞いた。

「・・・・・対戦表?」

「そう!今から言う奴は前から出てきて

くれないか?」

 一瞬顔を見合わせたが、みんなはすぐ

にコクコクと頷いた。

「え~と、神威、晶、綺月、レオナ」

 私・・・・・・・・!?

 自分が呼ばれたことに驚きを隠せない

まま、前に出た。

 今から何をするの・・・・・・・・?

 そんな不安な気持ちが心の中で鼓動に

変わり、私の鼓動はバクバクと高鳴って

いる。

「この4人に戦ってもらいまーす♪あ、神

威対晶、綺月対レオナだからな?」

 私はレオナさんと殺し合うの!?そん

なのできない・・・。

 不安を隠せないまま、そっとレオナを

見た。レオナは私のことをじっと睨んでお

り、「死ね」とでも言いたげに見える。神

威君もニヤニヤ笑って、全然不安や恐怖な

どの類の感情はないみたい。晶は、額に汗

をかきながらも、神威君のことを静かに見

据えている。