サンプル~壊れた教室~

 びくりと肩を震わせる。

 おそるおそる玄真を見てみると、左手

が血だらけ。

「は~い、これでマイナス4☆マイナス

5になったね~」

 他人事みたいにゆったりと言う神威君。

心の底から笑ってるみたい。

「・・・っ、どうしよう・・・・」

「どうしようって何が?」

「何がって、5になったんだよ!?死んじゃ

うよ!?」

 だから何、とでも言いたそうに神威君は

眉をひそめた。

 何とも言えぬ威圧感に、逆らってはまず

いと脳が警告をする。

「だから何?誰か死なないと生き残れない

よ?」

「っ・・・でも・・・」

 それでも何か反論しようと口を開けた。

「あ~も~、うるさいなぁ!あと5分なんだ

から大人しくしててよ!」

 姫奈はそう叫んで、ギッと玄真をにらみ

つけた。

 迫力があったのか、誰も何にも言わなかっ

た。息苦しい沈黙が流れて、小さな釘を落と

しただけでも聞こえそう。

 さっきまで見えていた太陽も、重く垂れこ

んだ雲に隠れて外は鉛色一色。

何だか泣き出しそうな空だなと思いながらも、

ただ痛い沈黙に耐えていた。

 * * *

 友達としゃべってるときは、5分って短い

なぁと感じていた。逆に、嫌いな授業だと、

長いなぁと感じた。でも今は、嫌いな授業の

時よりも長く感じる。