【神威side】

 冷たい風が髪を揺らす。

 うっとうしいくらいにさっきから吹く

風が何か嫌な予感をさらに強くさせる。

「あれって・・・先生?なんで新校舎に」

 そんなこと思いながら呟いても、何と

なくわかる。先生がやろうとしてること

だ。ロクなことじゃない。

「・・・ま、何にしろ、気に入ってるん

だから殺さないでよ?」

 誰かに行ったわけじゃない。でも近くに

いた連に聞かれてたらしい。蓮は眉をひ

そめていた。

あ~、面倒くさい~。

 ゴソゴソとポケットからいちごミルク

味の棒付きアメを取り出す。

 固く縛ってある袋をいとも簡単に開け

て、かぶりつく。

 あまり好きではないしつこいイチゴと

ミルクの味に眉をひそめながら、ボーっ

と考え込んだ。

 死ぬ気はない。でもこのままのペース

でいくと、あんな馬鹿で純粋なあの子は

簡単に死んでしまう。