サンプル~壊れた教室~

 悲鳴を上げたのは、唯架。

 失くしたのは右目らしく、押さえた手

の間からボタボタと血がとめどなく流れ

ている。

「痛い、痛いよぉ。姫奈、なんで・・・?」

 残った左目から涙を流しながら、必死

に痛みと戦ってる。

 一方姫奈は、ハァハァと肩で息をしてい

た。薄いピンク色のコートを着込んでいて、

大量の返り血で真っ赤に染まっている。

 唯架が、危ない。

 そう思った私は、素早く姫奈の肩を掴

んだ。

「何してるの!唯架になんてことを!」

「なによ、死んでくれた方がいいでしょ!

内通者だったらどうするの!私だった

ら絶対いや!こんな奴いたら、あたし

が怪我するかもしれないじゃない!」