サンプル~壊れた教室~

 そろりと足をずらして、確認してみる。

 それは・・・・・・目だ。

 神経みたいな糸がくっついていて、赤

く血走っている目が、私の足によってつ

ぶされている。

「ひっ、嫌ぁ!」

 すぐさま足を引っ込めて、靴の裏につ

いた血をぬぐうために床に足をこすり合

わせた。

 そこで私は、パニックになった頭の片

隅で、冷静に考える。

 ・・・・この目は誰の?

 そんな疑問を自分に問いかけても、答

えは一向に帰ってこない。好奇心なんて

ものはなく、誰の目かを確かめるなんてこ

としなかった。

 けど何の前触れもなく、悲鳴が響く。

「きゃあああああ!!」

 鼓膜をつんざくようなうるさい声。