サンプル~壊れた教室~

「きゃあ、やめて姫奈!姫奈ぁっ!」

 唯架がボロボロと大粒の涙を流しなが

ら姫奈に懇願している。恐怖からか痛み

からか、つま先一本動かせないみたい。

 姫奈はまるで聞いていなかったみたい

に唯架の願いを華麗にする―市、ごそご

そとポケットから何か出そうとしている。

 キラリと、何かが光に反射して光った。

 ・・・・・・・ナイフだ。

「ひ、姫奈・・・・?」

 私はこれから何をするのか何となく予

想がついて、嫌な予感が頭をかすめる。

 唯架は近くでキラキラ輝くナイフを見

て、真っ青な顔をして叫んだ。

「嫌ぁ!姫奈、何するの!やめて、姫

奈ぁ!」

 やめて、やめてと狂った人形のように

繰り返す唯架。それを見て気味悪い笑み

を浮かんでる姫奈。

 誰もその光景を止めようとしない。

 だって、みんな唯架と竜が内通者だと

思ってるから。

 内通者じゃなくたって、この作戦を失

敗させたから。