サンプル~壊れた教室~

 そこに、ケモノみたいな声を上げた唯架

が、私のふとももからふくらはぎあたり

までひっかいた。深く。

「痛ぁぁぁぁっ!!!」

 刺されるような痛みにぼたぼたと流れ

る鮮血。

 驚きと恐怖と痛みで体を縮める。

「痛い・・・・痛・・・」

 この頃怪我をしてなかったからか、久

しぶりの痛みに泣きそうになる。

 と、ヒョイとアメをくわえた神威君が

透明で何にも考えていなさそうな、でも

無垢や純真とも言えない目をのぞかせた。

「あー、ほいこれ」

 そう言って差し出したのは、小さなギ

ヤマンの瓶に入った少量の水と水色のハ

ンカチ。

 ・・・・・・・・・・え?

 それで何しろと?

 首をかしげていたら、神威君はため息

をついて説明をした。