「あ、亜梨朱・・・」

 私は亜梨朱と手を繋いだまま動けなく

なる。

 今起きていることに現実感が湧かな

かった。悪い夢を見ているっていう方が

現実感がある。

 固まった生徒を見て先生は首をかしげ

た。

「どうしたんだ?」

 先生はふらりとこっちへ向かってく

る。

 殺意じみた笑顔を向けながら。