サンプル~壊れた教室~

「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 涙でぐちゃぐちゃになった顔を歪ませ

る雅人。

 いつもの私なら、きっと助けに行く。

 でも。

 死の恐怖を、何度も感じてしまったから。

 助けに行こうと思っても、助けなきゃ

と思っても、どうしても体にストップが

かかってしまう。

 恐怖と正義感で葛藤してる間に、雅人

に容赦なくカマが振り上げられる。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 今まで体験したことの無い痛みが雅人

を襲った。

「ママ、パパ・・・イダイヨォ・・・助

け、イダァイッ・・・・!!」

 声にならない声で、必死に助けをこう

雅人。