サンプル~壊れた教室~

「あはははははははははは!!!」

 もうダメ。だれか・・・・・・!

 ギュッっと目をつむって、死を待った。

「おしまいだよ。カンガルー」

 誰かの一言が聞こえるだけで、痛みも

死も襲ってこない。

 おそるおそる目を開けたら、そこには。

 目をカッっと見開いて、何が起きたか

分からないという顔をしている智夏が

写った。

「か、むい・・・くん」

 智夏の後ろで、ナイフを突き立ててい

る神威君は、返り血で濡れている。その

顔には、わずかに笑みが浮かんでいて。

 智夏の胸、丁度心臓にあたるところに、

ナイフは貫通して刺さっていた。

「え・・・・・?」