私は笑った。

「分かってるよ、ミカヅチ。私は貴方に守ってもらおうなんて思ってない。その後はなにもしなくていいよ。私はあの時の岡田以蔵さんに会わなきゃならないんだ」

ミカヅチは心配そうに私を見た。

「お前が最後に過ごしたあの日にしか戻せねえぜ?まあ、多少の誤差は生まれるが……出来るだけ岡田以蔵の近くに送ってやる」

漆黒の瞳を見つめて私は頷いた。

「うん、お願い」

ミカヅチが諦めたように頷いたのは覚えている。

けれど再び剣を背中に押し付けられて、私の意識は闇へと消えていった。